キュイジニエCuisinier

2015.5.2

連載、食いしん坊倶楽部 その⑦ 磯物

自分で育てたり、自ら獲ったものを食す時、どうしてあんなにも満ち足りた気持ちになるのでしょうか?
皆さん、こんにちは。食いしん坊YMです。

実は私、最近ハマッている事があります。

潮干狩りです。

伊豆ライフの特権で自然の恵みを頂戴できるというのは言うまでもありませんが、この環境を生かして、大変魅力的な食文化を持っている土地、地域はいくつもありますが、そんな中でも、とりわけ海藻や磯の貝類に焦点をあてた場合、伊豆でも随一の場所があります。
伊豆市土肥です。

潮干狩りが解禁になった3月下旬、念願が叶い、土肥に暮らす磯物のスペシャリスト、潮干狩りの達人に手ほどきをして頂くことが出来ました。
それ以来、食いしん坊の私は潮干狩りに目覚め、休日ともなれば自分で潮位表を見て良い潮時をチェックして、土肥は八木沢の海岸に通っています。
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さて、皆さんが潮干狩りと聞いて想像するのは、砂浜で熊手を片手にみんなで・・・・というものではないでしょうか?
土肥八木沢は少し勝手が違います。ゴロゴロと岩が転がるまさに磯です。

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まず大小ある無数の石をどかします。そしてそこにへばりついたマツバガイ、コブ、、、影に潜むシッタカ、クボガイ、、、隙間を掘りおこしてはアサリなどを獲ります。
翌日には全身に筋肉痛が訪れるほどの運動量です。しかし楽しくて夢中になっていると時を忘れ、次第に満ちてくる潮が自分の尻に浸かってようやく我に返るほどです。

まだまだ知識と経験が足らず、師匠のようにはいきませんが、それでも十分な量の磯物を発見することが出来ます。

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この磯物たちですが、勇んで家に持ち帰ってもすぐには食べることができません。
一晩海水につけて、老廃物を吐かせる必要があります。いわゆる砂出しです。夜中、磯物たちがモゾモゾと動く音が聞こえては楽しかった日中を回想しながら、明日まで我慢我慢です。

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翌日になりキレイになった磯物にようやくありつけるわけですが、食材として最高なのはもちろんですが、それを食すこちらの気持ちも最高に高揚しています。うまいに決まっています。
やはり苦労して獲ったものはいつも以上に感謝の気持ちで頂くことが出来ます。
我々、食に携わる人間にとって一番大切なことです。

さあ、この磯物の食べ方ですが、やはり定番は味噌汁や海水ゆでです。磯の薫りが豊かで、他のものとはかえがたい素晴らしい味が出ます。
身はつまようじでくるんと取り出し口にはこべば、八木沢の景色が目に浮かびます。
なんとうまいことでしょうか。
今回はぷっくりと太った天然アサリをオリーブオイル、にんにく、パセリを入れてフライパンでサッとあおり、貝の口が開いたところでしゃぶりつきました。本当に絶品です。
こうやってシンプルに食すのが一番かもしれませんね。

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ただ、食いしん坊キュイジニエとしては、この磯物たちをまた違った料理にも仕立てたいなあとも思います。考えるだけでワクワクします。
どうやら私の潮干狩りブームは終わりそうにありません。

皆さんもぜひ、そこにある岩をひっくり返してみてはいかがですか?
宝があるかもしれません。

食いしん坊YM

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