キュイジニエCuisinier
2014.8.28

連載、食いしん坊倶楽部 その② メロン
皆さんこんにちは、食いしん坊YMです。
うまいものを探し求め、先日は伊豆最南、南伊豆町の調査に行って参りました。
そして今回、「温泉メロン」なるものを発見しました。
「温室」ではなく「温泉」です。
なるほど、南伊豆町下加茂といえば高温の源泉が多く湧き出、街のあちこちで湯煙が立ちこめる、のどかな温泉地で知られています。しかしながら、温泉とメロンがどう結びつくのでしょうか? これは直接確かめてみなければ、食いしん坊とは言えません。
温泉街から立ちのぼる湯気を横目に車を走らせると、「さとう温泉メロン」と書かれた看板、数棟のビニールハウス、そしてここにも湯煙があがっています。
ハウスの中を覗いてみると、整然と並んだマスクメロンの木に立派な果実が実っていました。
私は居ても立ってもいられず、直売所に入り話しを聞いてみる事にしました。
この農園では自家温泉発掘に成功し、その温泉熱を利用することで年中一定した、マスクメロンに最適な環境を作り出し、高い品質を保っています。
そして、一本の木に三個の果実をつけた後、一番良いものをひとつだけ残し、その一個のメロンを手塩にかけて育て、それぞれにつける交配日記と熟度を見極め採集されるそうです。
さらに時をさかのぼると、下加茂では大正末期からメロン栽培が始まり、その技術が日本全国に広まっていったそうです。日本メロン栽培の礎、発祥とも言うべき歴史があったのには驚きました。
しかし残念なことに、かつて下加茂に多くあったメロン農園も今日、「さとう温泉メロン」一軒のみです。貴重なメロンです。
うまいに決まっています。
これはもう、ありがたく食すしかありません。
さて、下加茂にはこのメロンを使った名物が幾つかあるのですが、さまざまなメロンの甘味を味わえる点でも、扇屋製菓をオススメします。
メロン最中、メロンソフト、メロンロール、メロンゼリー、メロンタルト….
男子一人、恥ずかしさがないわけでもありませんが…
これはもう、全部食すしかありません。
ごちそうさまでした。
つづく
食いしん坊キュイジニエYM