カテゴリー: 連載:食いしん坊倶楽部
連載、食いしん坊倶楽部 その③ 深海魚
2014.10.12

皆さん、日頃どれくらいうまいものに出会えていますか?食いしん坊YMです。
今回、うまいものを求めてやって来たのは戸田漁港。
戸田の名物といえば、何と言っても深海魚をおいて他にはありません。
駿河湾では9月半ばからトロール漁(底引き網漁)が解禁になり来年の5月までほぼ毎日深海魚の水揚げがあります。
ちなみにアルカナでお出ししているアカザエビやトロボッチなどもこの漁法で漁獲されたものです。
2500mという日本一の水深を誇り、日本に生息する魚類の約半分の種類がいると言われる駿河湾には、沢山の素晴らしい漁港があります。しかし、なぜ戸田漁港にとりわけうまい深海魚が水揚げされるのでしょうか?
今回調査を進めた結果、2つの点が結びつきました。
1つ目は、富士山の湧水が戸田沖に注いでいる事。
2つ目は、世界一深いマリアナ海溝が戸田沖に繋がっている事。
つまり、数十年間にも及ぶ滞留時間を経て様々な養分を集めた富士山の恵み水を求めて、太平洋の多種多様な魚介類、特に深海魚がマリアナ海溝にそって集まってくるのです。
そしてその深層水に含まれた豊富なプランクトンを食べ、魚達自身がうまくなるに違いありません。
では実際に戸田でどんな深海魚が漁獲されているかを知るため、私がオススメしたいのは、まず漁協直売所やスーパーを覗いてみる事です。
有名なタカアシガニは勿論、その日水揚げされたメギス、アブラゴソ、ゲホウ、ノドグロ、ユメカサゴや本エビ……
あまり馴染みのない、少し愛嬌のある姿をしためずらしい魚達が並んでいます。この時点で食いしん坊の好奇心はくすぐられっぱなしです。どんな味がするんだろう?
こうなれば後は、食すあるのみです。
戸田は小さい港町ですが、さすがうまい深海魚料理を食べられる食堂が何軒もあるので、本当に迷ってしまいます。
刺身、揚げ、焼き、煮付け… 今日も決めきれない私はついつい食堂をはしごしてしまうのでした。
これも食いしん坊の性…
つづく
食いしん坊キュイジニエYM
連載、食いしん坊倶楽部 その② メロン
2014.8.28

皆さんこんにちは、食いしん坊YMです。
うまいものを探し求め、先日は伊豆最南、南伊豆町の調査に行って参りました。
そして今回、「温泉メロン」なるものを発見しました。
「温室」ではなく「温泉」です。
なるほど、南伊豆町下加茂といえば高温の源泉が多く湧き出、街のあちこちで湯煙が立ちこめる、のどかな温泉地で知られています。しかしながら、温泉とメロンがどう結びつくのでしょうか? これは直接確かめてみなければ、食いしん坊とは言えません。
温泉街から立ちのぼる湯気を横目に車を走らせると、「さとう温泉メロン」と書かれた看板、数棟のビニールハウス、そしてここにも湯煙があがっています。
ハウスの中を覗いてみると、整然と並んだマスクメロンの木に立派な果実が実っていました。
私は居ても立ってもいられず、直売所に入り話しを聞いてみる事にしました。
この農園では自家温泉発掘に成功し、その温泉熱を利用することで年中一定した、マスクメロンに最適な環境を作り出し、高い品質を保っています。
そして、一本の木に三個の果実をつけた後、一番良いものをひとつだけ残し、その一個のメロンを手塩にかけて育て、それぞれにつける交配日記と熟度を見極め採集されるそうです。
さらに時をさかのぼると、下加茂では大正末期からメロン栽培が始まり、その技術が日本全国に広まっていったそうです。日本メロン栽培の礎、発祥とも言うべき歴史があったのには驚きました。
しかし残念なことに、かつて下加茂に多くあったメロン農園も今日、「さとう温泉メロン」一軒のみです。貴重なメロンです。
うまいに決まっています。
これはもう、ありがたく食すしかありません。
さて、下加茂にはこのメロンを使った名物が幾つかあるのですが、さまざまなメロンの甘味を味わえる点でも、扇屋製菓をオススメします。
メロン最中、メロンソフト、メロンロール、メロンゼリー、メロンタルト….
男子一人、恥ずかしさがないわけでもありませんが…
これはもう、全部食すしかありません。
ごちそうさまでした。
つづく
食いしん坊キュイジニエYM
〈新連載、食いしん坊倶楽部 その① しらす〉
2014.7.17

皆様はじめまして、食いしん坊YMです。よろしくお願いします。
私の生き甲斐はうまいものを探し、食すことです。
この性分で少しでもアルカナに貢献できたらな、と考えています。
先日もうまいものを求め国道1号線を走っていると、こんな看板を発見しました。
「富士山から1番近い港 田子の浦港」
ここだったのか、田子の浦!! 私のアンテナに即座に引っ掛かったのは言うまでもありません。
富士市田子の浦といえば、しらす漁で有名です。
私たちが日常的に食べるしらすは九州から東北までの太平洋沿岸が漁場で、主にカタクチイワシの稚魚です。
ここ田子の浦の特徴は一艘曳きという漁法でデリケートなしらすを傷つけることなく、船上で氷締めにしてすぐさま港まで戻り、選別された良質のしらすを短時間ですばやく水揚げしていることです。
海岸から漁船がよく見えるほど漁場が近いと言うのもポイントです。
つまり、鮮度が抜群に良いのです。
港周辺には網元直売店や食事処が数軒あり、しらす街道と名付けられていますが、私のオススメは漁協食堂です。
水揚げされるまさにその場にテーブルが並べられ、潮風に吹かれながら食べる生しらすは格別です。 私自身、今までに出会ったことのないしらすのうまさで、思わず2杯完食致しました。
つづく・・・
食いしん坊キュイジニエ YM