キュイジニエCuisinier
2016.11.29
食いしん坊倶楽部その15 原木しいたけ
むかしむかし、今から300年近くも昔、天城湯ケ島に代々名主を務めていた石渡清助と言う人物がおりました。清助は主だった産業がなかった貧しい村を豊かな村にできないかといつも思案に暮れていました。そこで、当時ではまだ栽培方法が確立されていなかった椎茸栽培に目をつけました。村人と力を合わせて、知恵を出し合い、苦労の末、原木しいたけ栽培の礎を築きました。椎茸栽培により村は徐々に潤い、そして何年もすると天城の栽培者たちは菌師として、全国から招かれるようになり、その技術を日本各地へと広めていったそうな。めでたしめでたし。
日本椎茸栽培の歴史は天城の偉大な先駆者、石渡清助と湯ヶ島の人々で培われたと考えると、この地で働く私としては、大変誇りに思えます。
食いしん坊YMです。
そんな歴史がある伊豆市では、なるほど今もなお、原木しいたけ栽培が盛んに行われ、こだわりがあって然るべしですが、まずここで皆さんに知っておいて頂きたいのは、日本人に大変馴染みのある椎茸は、流通しているものの9割以上が菌床栽培のものであることです。
菌床栽培‥‥おが屑に栄養素を混ぜた培地に、菌を植え、ハウスなどの環境管理された場所で短期間で育てる。
一方、原木栽培の椎茸は相当の手間と時間がかかる分、市場に出回る数に限りがありますが味や香りが格別に良く、より自然で本物の味とでも言いましょうか、つまりうまいということです。
原木栽培‥‥伐採したクヌギやコナラに菌を打ち、山林において菌糸を1年半~2年かけて木全体に回した後に椎茸を発生させる。
それに加え、伊豆の椎茸栽培は、前述した伝統の上にある高い技術で行われているのみならず、山脈及び海洋がもたらす湿潤な気候、降水量が多く、気温推移が年間を通して緩やかであるという地の利を生かし、常に高品質な、味も形も優れた原木しいたけが生産されるのです。その証拠に、乾椎茸品評会の受賞数も全国1位となっています。つまり、すこぶるうまいに決まっているということです。
さぁ、それでは伊豆しいたけ食遊ツアーへと出かけましょうか!
しいたけの里でバーベキュー。
自分で収穫した原木しいたけをその場ですぐに焼いて食すことができます。
肉厚ジューシー、一口でガブリ!!最高!!
手軽に味わえるのが嬉しい。
修善寺駅のしいたけそば。
乾しいたけの甘辛煮が沢山。なめたらあかん!駅そばとは思えないクオリティー。
最近話題の…村の駅のしいたけバーガー。
未だかつてない、ここまでしいたけをふんだんに使ったバーガー。口の中はしいたけでいっぱい!うましっ!!
家の近所のしいたけ屋さん。
「清助どんこ」めっけ!!乾しいたけの中でも厳しい基準にクリアした伊豆原木しいたけの最高峰。ぜひお土産にいかがですか?私は家用にGET。贅沢。
しいたけ愛好家のみなさんに…
伊豆市修善寺、きのこ総合センター。
資料館になっており、楽しくきのこの事が勉強できます。オススメです。
伊豆市湯ヶ島アルカナイズ。
原木しいたけがメニューにちょくちょく顔出します。
追伸
我が食いしん坊倶楽部では地元食材に造詣を深めるべく、常日頃から活動しておりますが、今回はアルカナの所在地でもある伊豆市において、最も重要な産物の一つであるしいたけをご紹介でき、大変うれしく思います。
食いしん坊YM