連載:港巡り

2020.7.13

港巡り⑳ ~ 鮎の友釣り~


アルカナ釣りファンクラブの皆様、こんにちは、へぼ釣り師チョゲです。
今回で20回目のブログ、そして伊豆に移住して丸5年が経ちました。
今回はかねてよりどうしてもやりたい・・・いや!やらねばならない釣りがありました!
そうです!「鮎の友釣り」です!
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、アルカナ・イズの目の前に流れる「狩野川」は、鮎で有名なことはもちろん、鮎の友釣り発祥の地とされています。

鮎は年魚、つまり1年の寿命しかありません。
狩野川鮎の産卵は10月始め頃から12月末くらいまでで、20日ほどで孵化し海に下ります。
海で動物性プランクトンを食べて成長した鮎は、川と海の水温が同じくらいになる3月頃から5月頃、また川を上り始め約2ヶ月ほどでアルカナ・イズ近くの狩野川(上流湯ヶ島地区)まで到達します。
6月頃からは川のコケなどを食べさらに成長し、水温が下がり始める9月頃からまた川を下り始め、全エネルギーを注いで産卵し、短い一生を終えるのです。

そして今まさに狩野川鮎が最盛期。
機は熟しました!

しかしアユの友釣りは初心者には敷居が高く難しいイメージしかない・・・
そこで今回は狩野川漁業協同組合理事、若手鮎師の井川弘二郎名人にガイドをお願いしました。

「鮎の友釣り」とは、野鮎の縄張りに、仕掛け針をつけたおとりの鮎を侵入させ、その侵入者(鮎)を攻撃したときに間違って針にかかってしまう、という鮎の性質をうまく利用した漁法なのです。

さあ、それでは釣りを始めましょう!
その前に一つ、皆様にお伝えする事があります。
ただいま梅雨真っ盛り。この釣り前日の天気はというと・・・大雨。
鮎は先ほどもお伝えしたとおり、石の周りに付いているコケを食べて生活しています。
それが昨日の大雨により増水し、流れも増した狩野川。コケがそぎ取られてしまってエサ、そして縄張りもなくなった状態です。
汚れた砂混じりの水だと、鮎もエラに砂が入り、苦しくて元気がなくなってしまいます。そのため、おとりの鮎が侵入してきても攻撃する力が弱まります。
長々と言い訳をしましたがつまり!
今回は期待しないでいただきたい!ということでございます・・・はい。

それでも一縷の望みをかけ、まずはしっかりと準備をしていきます。

・ウェーダー   川に入る時用のタイツのようなもので、保温性に優れ、誤って転倒した場合でもけがを防ぐようになっています。
・偏光グラス   このサングラスがすごい!水の流れがよく見えます!
・靴       靴底にフェルトが使用されていて、コケが付いた石の上なども滑りにくくなっています。
・釣り竿(9m) とても高額と聞いていましたが、使わせていただいた竿、なんと30万円!!!
安いものでも6万円はするそうです。そこまで高いとは・・・
・引き舟     鮎を入れておくもので、舟底に穴があり水が入るようになっています。
・鮎用タモ 
他にも、小物を入れておくベストや日焼け防止用の帽子など、鮎釣りは色々と準備が必要不可欠です。 

そして狩野川周辺の「おとり屋」という看板が付いたお店で釣券を購入し、釣りスタートです!

へぼ釣り師チョゲ、川の中にすいすいと入っていく井川名人の背中を必死に追いかけます。
思ったより川の流れがきつく、深いところがあるため、ついて行くだけで精一杯のへぼ釣り師チョゲ。
なんとか釣り場に到着。ここでようやく仕掛けを準備していきます。
竿と同じ9メートルくらいの長さの糸に仕掛け針を通し、おとりの鮎を仕掛けていきます。
大切なのは鮎を弱らせないこと。
鮎は人の手の温度で火傷をしてしまいます。必ず水の中で素早く仕掛けをつけていきます。

おとり鮎のハナに「ハナカン」を通し、

尾びれに「チバリ」をさして

完了、鮎を泳がせていきます。

井川名人曰く、初心者は鮎にまかせて気持ちよく泳がせてあげることが大事。
うまくなっていけばおとりの鮎をコントロールして泳がせることができるそうです。
ビギナーズラックはありえない!
鮎釣りは最も腕の差が出る釣りと言われています。
まさにへぼ釣り師チョゲに不向きな釣りかもしれません・・・
とにかく数をこなさないと上達しないそうです。

そうしている間に一発目から井川名人の竿に当たりが!

いきなりきました!
この悪条件の中でも釣り上げる、さすが名人です!
この釣った鮎は次のおとり鮎に代わります。
おとり鮎はイキのいいものが良いとされ、しかも野鮎の方が縄張り意識が強く攻撃性があるそうです。
常に釣れた鮎と代えていくのが最適だそうです。

さあ、へぼ釣り師チョゲの出番です!
名人がいいポイントにおとり鮎を泳がせてくれたところでバトンタッチ。竿を持ちます。

重い!!!竿自体は軽くてもやはり9メートルもある竿、風の抵抗もあり持っているだけでもなかなか難しいです。
とにかく鮎を泳がせて待ちます。

「釣れてるよ!!」
名人が叫びました!
へぼ釣り師チョゲ、全く当たりがわからず竿をあげると小さい鮎がついています!
「よし!!」
と思った瞬間・・・

「あ~~~~!!!」
鮎が外れてしまいました・・・
へぼ釣り師チョゲ、本領発揮・・・ではなく痛恨のミス。
釣れても気を緩めてはいけません。

気を取り直して。
1時間・・・
2時間・・・
3時間・・・・・・

悪条件のためか、このまま無念の終了です。

おとり鮎が余ってしまったので、釣れた気分を味わうためにも、と名人が気をつかって写真を撮ってくれました。

大漁です!!

注:間違わないでください。これは養殖のおとり鮎です。釣っていません。

狩野川鮎は8月頃が一番釣れるそうなので、またその時期に再チャレンジです!

いかがでしたか?
長くなっていしまいましたが、今回ご紹介できたのは鮎釣りのほんの一部。まだまだ奥深いく色々な魅力があります。
鮎釣りにハマる人が多いのも納得です。

興味を持たれた方、やってみたいという方、事前に連絡すれば井川名人にガイドをお願いすることも可能です。

もちろんアルカナ・イズも、毎年仕立てを変えた鮎料理をご用意しております。
今年は特に!他では味わえない仕立てになっています!
是非アルカナ・イズで、狩野川の天然の鮎をお楽しみください。

今回は念願の鮎の友釣りができ、結果はさておき感無量です!

さて、次はどこの港へ・・・

へぼ釣り師チョゲ

へぼ釣り師チョゲ作

天然、ではなく養殖鮎飯。

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