連載:食いしん坊倶楽部

2020.4.27

食いしん坊倶楽部 No 28 〈歌子さんのたまご〉前編

久々の登場!
天城一の食べ盛り、
そうです。
わたしが食いしん坊YM です。

連載28回にして 出し惜しみしてきた
“歌子さんのたまご”を 遂に皆様にご紹介します。
私にとって、アルカナにとっても欠かすことのできない食材の1つであるため、じっくりと筆を取れる時を待っていました。
アルカナではゲストに必ず卵料理を召し上がっていただいていますが、
「歌子卵」と勝手に命名しメニューに表記しているのは何を隠そうこの食いしん坊です。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれません、実は養鶏場には 天城たまごの里 と言う名前があり、そこで渡邊歌子さんが鶏を大切に育てているので「歌子卵」と呼んでいるわけであります。
その味わいたるや、言うまでもなし。
うまいに決まっています。

 

 

 

 

 

今日は早朝から歌子さんの見習いをしようと思います。
とある山中です。
別に地図に載ってないわけではありませんが、場所はここではあかしません。鶏を育てると言うのはとてもデリケートなことだからです。
この付近ではどんな必死な選挙carですら沈黙します。一説によると歌子さんに怒られるとか…

西伊豆へと向かう国道から細い道を入って行きます。

 

 

 

 

 

小川を渡り、わさび田を抜け

 

 

 

 

 

車は一台通るのがやっと、ステップワゴンはおすすめしません…

 

 

 

 

 

竹藪や原木シイタケの脇を通る

 

 

 

 

 

油断しないで!谷に落ちますよ!

 

 

 

 

 

まだまだ進む

 

 

 

 

 

ようやく到着。am6:30
まず空気が違う。伊豆は空気が良いですが、ここに来るとさらにうまい。そして下界よりも冷たくピリッとしている。

 

 

 

 

 

看板犬筆頭のユイちゃん(グレートピレネー)が誰にでも大きな声で挨拶してくれます。
歌子さんはというと…
薪に火をつけたり、愉快な動物たちにご飯をあげたりしていました。

「歌子さん、おざすっ!」
「おー、エライ!よく来たなー じゃあ早速たまごを取りいこかいな」

現在鶏の数は約400羽。
24時間で卵を1個しか産まないので、どんなに多くても1日MAX400個と言う計算になります。しかも、天候や鶏の年齢やコンディションによっても左右されます。雨の日は産まない鶏がいたり、前日の夜に鶏舎の外を鹿が歩いたとか、騒がしいことがあったり、ストレスがあれば数は減ってしまいます。超デリケートです。まるで私の内臓のようです……?
皆さんどう思いますか?
貴重ですよね、歌子卵。
注文の数が揃わないような時は
「早よ産めー!」
とじっと見つめて鼓舞する歌子さん。
しかしながら今日は鶏ちゃん達の気分が良いせいか、忖度か 沢山産んでくれました。

 

 

 

 

 

「かわいいやろー、鶏も飼う人間によって性格が変わるんだがねー」
だからか、歌子さんの鶏は人懐っこく、やさしい。最初は鶏舎に入るのが怖い気もしますが、鶏の方から寄ってくるし、鶏に触っても卵に手を出しても痛くないようにツンツンされる程度です。
昔は本当に平飼いで、日中は小屋の外で自由にしていたそうですが、近年はさすがに保健所からの指導も厳しくなっているので日本国内では完全野外で育てる養鶏場はありません。それでもここの子たちは幸せそうに動き回り、毛並みも美しく健康そのものです。

鶏舎には数羽のオス鶏がいますが、
「味も栄養価も有精卵だからって変わらんから、どっちかというと、鶏の社会秩序を保つにはオスも必要で、その方が健全だと思ってやっとるがねー」
という事です。勉強になります。

ちなみに鶏舎は掃除が行き届き、嫌な匂いなど一切しません。歌子さんはよく「鶏に休みは無いでしょー」と言いますが、住みやすい環境を日々維持する事は大変な労力がかかるであろうことが簡単に伺い知れます。

 

 

 

 

 

鶏は朝から午前中には卵を産み終えますが、当然時間差がある為、たまごを拾っては鶏舎と事務所兼作業小屋を何度も往復する事になります。
その間にも、清掃や箱詰め発送準備、薪割りに至るまで様々な仕事をこなします。大変です。
たまごの洗浄もひとつひとつ手洗い。
本当にアナログの世界。ただ、それがいいんです。全てに意味と愛があります。

 

 

 

 

 

洗浄時にたまごの分別がなされます。
ひとつひとつ大きさや形が違う自然卵だからです。
歌子さんの所へ若鶏が来るのが生後100日ごろ。そこから約2週間で卵を産み始めます。
よく歌子さんにゲストで妊婦さんがいたら食べてもらいなさい、ともらう卵はこのタイミングのものですね。縁起物です。
産み始めたばかりの頃は小さすぎたり、卵として不完全なものもあるのですが、徐々に安定してきて、その後鶏達は約一年半ほどお仕事をしてくれます。
そして年をとってくるとまた形が安定しなかったり、殻が薄くなってきたりしてきます。
全てが一様に同じ卵を産むわけではありません。よく考えればわかる事ですが、実際に現場を見ないとあまり気づかない事かも知れません。しかし、それ知っているという事はとても大事な事ではないでしょうか?
卵は私たちの日常にも身近で大切な存在ですから。
あ、そうそう、たまごは尖った方を下にして置いてくださいね。その方が殻の中で卵黄が安定しますから!

とここで是非、皆さんこの映像をご覧下さい。
感動ものです!!

niwatori

後編に続く

食いしん坊YM

 

 

 

 

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