キュイジニエCuisinier

2013.3.2

温故知新

先日、東京で行なわれていた外食業界の大きな展示会に行って参りました。

そこでは、色んな最新の調理器具、清掃用具、食品など、様々な外食産業に関わる物が展示されています。
開場から閉幕までは7時間あったのですが、会場も広く全て見れなかったです。

写真は、「スチームコンベクション」という、「電気のオーブン」です。 アルカナ イズで実際に使用しています。

会場にもこの手のオーブンがたくさんあり、どれも各社が最新の技術を結集した、ものすごい機能の付いたオーブンばかりでした。

機能の凄さに感心して、「使いたいなぁ」と、参考の為に担当者の方にお話、説明を聞いてきました。

それから数日を過ごしていると、ふとこんな事を思いました。

「自分が見習いの頃に使っていた器具で今の若い子達は、調理する事は出来るのだろうか?」

「機械の力に頼りすぎ根本が解っていなければ、ただの作業になってしまうのではないのだろうか?」

最新の機械で、時間や温度を設定しオーブンに入れると、理想どおりの焼き加減で食材が調理されて仕上がります。
昔は、こんな機械はなかったのでオーブンの温度を手で測ったり、色々工夫をしてやってきました。

魚を卸す事も同じことだと思います。
魚の切り身を購入するレストランだと、鱗のついた魚を見ることもないのです。

業務軽減、作業時間短縮など、様々な要因で調理済みの物を使用するのは時代の流れかもしれないですが、それでは料理人として寂しい。
料理人が、作業人に変わってしまうように思います。

アルカナ イズでは、鮮度の良い魚介類、肉類、野菜を扱っています。
もちろん魚は、鱗のついた一匹まるまるの物を仕入れますので、若い料理人が包丁を使って捌く練習にもなるのです。

その練習した魚は、賄いなどで美味しく頂きます、

そうして技術を習得し、一歩一歩料理人としての階段を上がっていくのだと思います。

長々と書きましたが、何を言いたかったかと申しますと、自分達の技術、経験を後進に伝える(指導する)ことが
今後の料理界、未来のシェフを育てる事に一番重要だと思います。

4月より3名のキッチンスタッフが入社予定です。
希望と野望を胸に入ってくる若い料理人の卵たちを育てながら、今まで以上のクオリティを皆様に提供できるよう精進して参ります。

chef yamamoto

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